慣性モーメント
かんせいもーめんと
クラブヘッドの回転に対する抵抗力を表す物理的な指標で、MOI(Moment of Inertia)とも呼ばれます。慣性モーメントが大きいクラブは、ミスヒット時でも方向性や飛距離のロスが少なく、寛容性(フォーギブネス)が高いとされています。クラブヘッドの重心から離れた位置に重量を配置することで慣性モーメントは大きくなり、特にドライバーでは、ヘッドの後方や両サイドに重量を配置する設計が一般的です。ドライバーの慣性モーメントは、ルール上限の5900g・cm²に近い値を持つモデルが多く、これにより広いスイートスポットと安定した方向性が実現されています。アイアンでも、キャビティバックやポケットキャビティなど、周辺部に重量を配置したデザインにより、慣性モーメントを高めてミスヒットへの寛容性を向上させています。一方、マッスルバックアイアンは慣性モーメントが小さく、操作性に優れる反面、ミスヒットに厳しい特性があります。パターでも、マレット型やネオマレット型は慣性モーメントが大きく、直進性が高いため、方向性の安定したパッティングが可能になります。